活動記録

主にアニメやエロゲのレビューしていくつもりですが、ジャンル問わず色んな事について書くと思います。

RIDDLE JOKER 感想

f:id:genben:20220318205249j:plain

 

▲発売日:2018年3月30日
▲メーカー:ゆずソフト
▲原画    :こぶいち むりりん こもわた遥華
▲シナリオ:保坂圭 天宮りつ 砥石大樹
▲声優:沢澤砂羽、遥そら、くすはらゆい、夏和小、西園純夏、他

 


●シナリオ
一言で言えば、異能力学園モノ+潜入モノです。アストラルと言う特殊能力がある世界で能力者を集めた学園が舞台で、そこに潜入するエージェントの主人公が暗躍するみたいな話なんですが、あまりどちらの要素も活かしきれているとは思えませんでした。
殆どのルートでですが、主人公のエージェントらしからぬ軽率な行動が目立つのもいけませんし能力的にも地味でスケールが小さいのもいけません。
折角の能力者設定もあやせルートのとあるトンデモアイテムのせいで能力者と無能力者の区別があまり意味を成してると思えませんし、第一、能力者同士のバトルシーンにも迫力がないんですよね。詳しいシナリオの評価についてはキャラクターの項目で述べていきたいと思います。
個人的に思ったことですが、作中のあやせのパッドネタや茉優先輩の年増自虐とか繰り返しすぎではないでしょうか。ちょっとクドい気がしますし、何回も繰り返すところが本作の物語としての引き出しの少なさを表している気がします。

 

●ボリューム
フルプライスゲームとしては及第点のボリュームですね。本作というよりは本メーカーのゲームにありがちですが、いかにキャラクターに萌えられるか、気に入るかによって評価が分かれるものだと思います。したがってその内容の多寡がボリューミーと取れるのか、或いは冗長と取ってしまうのか各ユーザーに評価が分かれるでしょうね。全体的に盛り上がりに欠けるシナリオなので、あとはグランドルートとかそういうのもあればいうことありませんでした。
ボリュームの項目に入れてよいのか悩みますが、本メーカーは各ヒロイン毎に主題歌が変わったりするのもいいですね。クリア後のおまけシナリオも充実していてキャラクターに萌えられるならボリュームにも満足いくのではないでしょうか。

 

●CG
美麗なグラフィックにボリュームも素晴らしいですね。SDキャラもキュートでカワイイものが多く、CG集として出しても十分な出来と言えます。
立ち絵もサブキャラに至るまで立ち絵が存在しており、フルプライスゲーとして及第点以上のボリューム&質です。

 

●キャラクター
・あやせ
ギニュー生徒会長。メインルートなだけあってシナリオの密度は本作屈指のクオリティです。ただ、やっぱりキャラゲーの域を出ないのかシナリオに粗が目立ちますね。
あやせがアストラル能力を付与する薬を使ってアストラル能力者を演じていた設定も政府隷下の特班のエージェントが知らないっていうのもおかしな話ですし、そもそもそんな薬開発できてるなら茉優先輩も琴里起こせてるのでは?
恭平の正体や柿本の本性が知れるのはこのルートだけですが、怪しさバリバリの柿本はともかく、恭平は唐突すぎるのでせめて別ルートでも伏線くらいは欲しかったです。後出しじゃんけんみたいな設定がありすぎてもう少し読み物としても頑張ってくれればよかったかなと感じました。いくらでも面白く作れそうな設定なんですけどねぇ…。
特に訓練も受けてないような柿本に後ろ取られて薬物注入されるエージェントの主人公ってダメダメすぎませんか…。
敢えて良い部分を取り上げるとしたら秘密を持った主人公に対するあやせが見せた懐の深さとそれに対する終盤の主人公の回答は良かったと思います。最後に秘密を打ち明けて終わるシーンはメインシナリオと相まって爽快感がありましたね。
恋愛ゲームと言う観点からしたら素の取り繕わない女友達のような関係のあやせルートの出来は良いです。デレデレにもなりすぎず、ツン要素も残してるのは良い塩梅だったんじゃないでしょうか。日常シーンでもエッチシーンでも貧乳ネタを頻繁に入れてくるので食傷気味にはなるんですが、そこは声優さんの実力によって救われてる部分が多々見受けられました。
彼女自身、能力者と本性と胸を偽ってて彼女のほうがよっぽどエージェント向きなのではないかなと感じます。

f:id:genben:20220318205943p:plain

本当に良い女です。

 

・七海
主人公の義妹。物語開始時にはすでに主人公に惚れていますが、それを我慢しており、このルートではある事件をきっかけに主人公の命の危機が迫ったことによって自分の思いを抑えきれなくなって付き合いだします。
彼女のルートも物語の核心には迫りませんが、七海と主人公の邂逅から今の関係に至るまでのなれそめを描いていてよかったですね。他人同士の疑似家族みたいな状態から本当の家族以上の存在になる…素晴らしいと思います。もう少し丁寧に描写していてくれれば言うことなかったですね。
本ルートでは、主人公と七海が所属している特班が解体の危機にさら曝されますが、アッサリと解決してしまいますし、そもそも周囲に妹って設定で通学しているのに妹と付き合ってても受け入れる周囲の懐の深さにちょっとビビリます。それでいいんか…。
しかし、彼女の性格の人見知りなのにコスプレイヤーって矛盾してません?案の定死に設定になってるし…。ぶっちゃけた話、七海は主人公が他のヒロインとくっつく時の悲しそうな表情してるほうがカワイイ…。好色な妹キャラっていいよね…。

f:id:genben:20220318210032p:plain

性欲強めの妹良いよね…。

 

・羽月
ムッツリ寮長。個人的には敵が小物かつ物語の核心には迫らないルートなので微妙でしたね(主人公の黒歴史時代の秘密の一端を担ってはいますが)。本ルートは愉快犯の学生を捕まえるって点では痴漢を捕まえる千咲とほぼ同じような展開です。
主人公も能力者とはいえ訓練も積んでないただの学生に負けるので何のためのエージェント設定なのかって思いました。木戸のほうがよっぽどエージェントとしての素質あるのでは?最後も最後で、申し訳程度に敵が改心しますがそこに至るまでの経緯とかそういったものを丁寧に描けばもう少し評価が上がったんですけどね……。下手したらサブヒロインの千咲のルートのほうが良かったまであります。
彼女自身の性格も自分に甘く他人に厳しい感じであまり好きになれないキャラでした。選択肢も他のキャラに比べて「中に出す/外に出す」の2択が3回でやる気のなさを感じます。ただエロシーンは彼女自身も好色かつ声優さんも声優さんなのでエロくてよかったですね。

f:id:genben:20220318210118p:plain

キャラクターの造形は良いんですけどねぇ…。ルートのクオリティが…。

 

・茉優
ポンコツ先輩キャラ。主人公とは孤児院時代の知り合いで彼女は孤児院時代の主人公に対して罪悪感を感じています。彼女自身七海と同じように共通ルートの時点でほぼ落ちてるようなものなので特段恋愛関係では書くべきことは無いですね。年上キャラなので主人公を引っ張ってあげようと気負い空振りする姿は可愛かったです。
さて、このルートは主人公の独断専行が目も当てられません。設定的にいくらでも面白く作れそうなのにその可能性を全て捨ててご都合主義に済ませるのはあまりにもあんまりな気がします。エージェントとしてあり得ない独断専行の連発にミスをやらかしても周囲の人間がフォローしてくれて事なきを得ていますが、それはちょっとご都合主義過ぎないかなと感じます。一度独断専行で室長にお叱りの言葉を受けながら日も経たないうちに潜入先の学園の理事長に全部ゲロっちゃうのはどうなんでしょうか?
茉優先輩との駆け引きも駆け引きになってませんでしたから頭の良いキャラクターを描くことの困難さを実感させられます。
折角拾ってくれた室長や七海に対しても迷惑が掛かりますし、一つ間違えれば彼らを危険に曝すことになります。エージェント以前に一個人の人間としてもあまりにも主人公個人の感情に突っ走りすぎなのではないでしょうか。
琴里の暴走も物語を進めるために理由もなく唐突に起こりますし、物語の核心に迫るシナリオなためか、あやせルートと同じくらいには粗が目立ちますね。すべての元凶の柿本も放置したままですし、ちょっとモヤモヤが残るルートでした。
先輩のエッチシーンでは眼鏡のオンオフの選択肢があるのは良かったと思います。

f:id:genben:20220318210206p:plain

そこがカワイイ。

 

・千咲
元気な一般人の後輩。サブヒロインなのでボリュームは薄めかつストーリーの核心にも迫りません。只管学園ラブコメを楽しむといった感じです。強いてよい点を挙げるとするならば、アストラル能力を持たない一般人の千咲(あやせも無能力者ではあるのですが)を通してアストラル能力者がこの世界ではどのような扱いをされてるのかも垣間見えるのは良いかな?と思います。
ロリキャラは彼女しかいないのでロリ好きにはいいのかな…?散々貧乳ネタを持ち出してたあやせ以上に立ち絵だと貧乳なので貧乳好きにもおすすめのキャラかな?ライブチャットしながら盛りあうシーンは割と好きでした。
本人もいい子なので特筆して語ることがありませんね。

f:id:genben:20220318210242p:plain

何事にもひたむきな後輩っていいよね…。

 

・恭平
親友ポジションキャラ。ヒロインからもカワイイと言われるほどの女顔キャラで、声優さん的にもヒロインとしてオマケルート作っても良かったんじゃないかってくらいには確かに見た目が可愛いですね。
あやせルートでのみ彼の本当の姿が分かるのですがそれが如何せん唐突すぎですね。強いて言うなら転校生に気軽に話しかけることも彼の本業の任務の一つなので後から考えてみると伏線だったのかなぁと感じる程度です。彼の能力や本当の姿の伏線が別ルートでも欲しい感じでした。

f:id:genben:20220318210325p:plain

共通ルートでも彼の本来の役目の伏線があればなぁ…。

 

●システム周辺
これ以上が望めるのでしょうか?エロゲーとして必要な機能以上のものが揃っています。これで満足できないユーザーは存在しないと言っても良いです。痒い所に手が届く様なシステム環境で高評価を与えられるでしょう。

 

●総評
エロゲーのライトユーザー向きのゲームかつ本メーカーが好きな方にはオススメができるといった評価です。シナリオを重視するならお勧めはしにくいかなと思います。シナリオ毎のクオリティの落差が激しく、なおかつメーカー側がライトな作品に仕上げたいのか掘り下げていけば重厚なストーリーになるような設定や要素の掘り下げをしていない為にシナリオゲームが好きな方にはオススメはできません。
ただ、大手ブランドの作品と言うだけあってシステム環境はエロゲーの中でも屈指の良環境ですし、CGは美麗で安定感がありますし、キャラクターに萌えられれば買いではあると思います。
攻略する上では物語の核心に迫る茉優とあやせは最後に持って行った方がいいでしょう。他のルートから攻略することを推奨します。

 

キャラ:★★★★☆
ストーリー:★★★☆☆
CG:★★★★☆
エロ:★★★★☆
システム:★★★★★
音楽:★★★☆☆

総合評価:75点